ルノアールの男

人工コンピュータであるゼニガタのキャラクタが面白い。内田さんってこういう荒唐無稽なちょっとSFがかった話も書く人だったんだね。

「由美を不幸にするようなことが出来るか」
「出来るわけねえじゃねえか。もしそんな野郎がいたら、ただじゃおかねえぜ」
「その野郎が、俺やおまえでも、か」

――という会話の意味が、最後で分かる場面がなかなかカッコ良い。主人公達は探偵や警察官で、不幸にするという事は、つまり…………というわけです。筆跡鑑定の話も出てきて面白かった。
「パソコン探偵の名推理」で読めます。もしくは「殺人者へのレクイエム19」など。
パソコン探偵の名推理
――この表紙は渋いけど、中身はかなりのコメディです。