密室ロジック
- 作者: 氷川透
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 新書
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
殺される前も後も室内には被害者ひとりきり。左右の廊下には複数の人間が、非常口の前には監視カメラが出入をずっと見張っている。こうして密室状況は作りだされた。一見平凡な殺人事件は、論理的に不可能犯罪へと飛躍したのだ!最終章に登場する“彼”の研ぎ澄まされた論理が眩く光り輝く純粋本格ミステリ。
私は、氷川さんの理屈っぽい所は好きだけど、これはちょっとなんじゃろー。むう。
最後の詰めの謎解き部分が理屈っぽい点は好きなんだけど、だからこそ日常のシーンをもう少し自然にというか、スムーズに書いて欲しいかった。おそらくはこれが氷川さんにとっての自然なんだろうと思うものの。
最後に動機が全く示されてないのは、それはまあ論理的の妙を楽しむ推理小説なので別にいいんだけど、それだったら、あんなにまどろっこしかった前半部分はなんのためにあったのだろう、と問うてみたい。
終わりがああなら、前半部分ももっと簡潔にして、短編にでもすればスマートな作品になるのに…。ようはバランスがとれてないなあと思いました。
それでも読んでる最中は面白かったんだけどね。わはは、すごい理屈っぽい女の人だなあ、とか。(小説内)氷川とか男の人でこの一人称ならまあなんとなく分からないでもないけど女の人だと、違和感がありました。
もちろんそう思うのはある種のすり込みであり、こういう女の人も世の中にはいるのさ、きっと、と思いながら読んだけど……。
よく言われる氷川さんの文章についてだけど、私はとりたてて気にならなかった。読みやすい漢字ばかりだしね。
う〜ん、もしかしたら、文章の読み辛さを感じるポイントは、人によって
1文法(文章)がねじれている
2無意味に難しい漢字や単語を使う
――このどっちに反応するかに分かれるのかなあ。(勿論、どっちも気になる人、気にしない人、はいるだろうけど)
私はどちらかというと2に反応しやすく、2の場合は「読みにくい」と感じる事が多い。氷川さんの場合、文法はややねじれていて分かり辛いものの、使っている漢字や単語は平易で分かりやすいものなので、それほど読みにくいと感じないようです。