ミステリ

吾子の肖像

ええっと、これは児島守生のプロフィールが出てきた時点で、ネタが分かってしまいました。少し分かりやすく書きすぎてあるかな? それでも物語として面白かったので、飽きずに最後まで読めた。 どことなく不気味な主人公の母とか、操が実は主人公の××だった…

密室ロジック

密室ロジック (講談社ノベルス)作者: 氷川透出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/04メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (24件) を見る 殺される前も後も室内には被害者ひとりきり。左右の廊下には複数の人間が、非常口の前には監視カメラが…

蛍 (GENTOSHA NOVELS―幻冬舎推理叢書)作者: 麻耶雄嵩出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/01メディア: 新書 クリック: 40回この商品を含むブログ (39件) を見る麻耶さんの小説には雨がよく似合う。 まず最初から主人公の立場がずっと気になっていた。こんな…

雪に閉ざされた村(ビル・プロンジーニ)

雪に閉ざされた村 (扶桑社ミステリー)作者: ビルプロンジーニ,Bill Pronzini,中井京子出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2001/12/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る クリスマス気分が盛りあがる山間の村に雪崩が発生し、村は外…

白い断頭台(田中芳樹)

主人公はチリで行われたスキー大会に参加する。しかしそれは視聴率を狙った、テレビ側の皆殺し計画だった。 ――というストーリー。設定がめちゃくちゃすぎだぁ(笑) これはギャグとして読むべきかと途中で思ったり。いくらなんでもテレビの視聴率のためだけ…

五十一番目の密室(ロバート・アーサー)

こ、この小説は……有栖川有栖さんの「46番目の密室」の原型ではないかっ! まさかそういう小説が本当にあるとは思わなかったー。しかも、に、似ている……。自ら元ネタをバラしてしまう有栖川さんって、すごいなあと思う。私だったら出来ない。 有栖川さんの小…

偽のデュー警部(ピーター・ラヴゼイ)

ISBN:4150747016 バラノーフは妻を殺して自由になるため愛人と船に乗り込んだ。そこで軽い気持ちでつけた偽名のせいで、元腕利きの刑事と間違えられ、事件を解決しなければならなくなる。 これがピーター・ラヴゼイか。ううむ……。さすが個性にあふれてるな。…

裁かれる女(連城三紀彦)

こ、これは最初から最後まで面白くてあまりの事に驚いた。 ××トリックで感動したのは初めてかもしれない。 まずは、文体におやっ? と。最初は作者名を見ないで読み始めて、外国の文体みたいだなと気になって作者を見てみたら、連城さんで、連城さんってこう…

「銀の塩」(藤原伊織)

藤原さんって難しい漢字を全く使わないのに、それでいてとても美しいと感じる文章を書く。難しいというか、見慣れない漢字を使わない。だから逆に美しく見えるのかもしれない。最近コツコツ読んでいる江坂遊さんの小説と並ぶくらいの、易しい漢字を使った小…

「Y」の悲劇」(有栖川有栖・篠田真由美・二階堂黎人・法月綸太郎 )

「Y」の悲劇 (講談社文庫)作者: 有栖川有栖,二階堂黎人,篠田真由美,法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る再読。有栖川有栖、法月綸太郎、篠田真由美、二階堂黎人(敬称略) さんによるダイイン…

ルノアールの男

人工コンピュータであるゼニガタのキャラクタが面白い。内田さんってこういう荒唐無稽なちょっとSFがかった話も書く人だったんだね。 「由美を不幸にするようなことが出来るか」 「出来るわけねえじゃねえか。もしそんな野郎がいたら、ただじゃおかねえぜ」 …

宗国屋敷

ある種の叙述トリックというか「文体トリック」だった。貫井徳郎さんのデビュー作なんかも、この手の文体トリックだ。小説ならではの仕掛け。文章だけで確固とした雰囲気を作れる人にしか、使えない技だなあ。小松さんはこの手の純日本風な文章を書くと、上…

クラインの壺

クラインの壺 (講談社文庫)作者: 岡嶋二人,菅浩江出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/03/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 106回この商品を含むブログ (82件) を見る選ばれた主人公は、バーチャルゲームにテストプレイヤーとして参加する。だが、どっ…

殺人現場はその手の中に

殺人現場はその手の中に―本格痛快ミステリー (ノン・ノベル―天才・竜之介がゆく!)作者: 柄刀一出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2005/02メディア: 新書この商品を含むブログ (23件) を見る柄刀さんの小説は、トリックがまず分からないから純粋に読書モードで…

パンドラ・ケース

ISBN:4167164035 「タイムカプセル クローズド・サークル 首のない死体 脅迫状 連続殺人 同窓生」などなど、好きなシチュエーションが満載な本だった。途中まではとても面白かったけど、後半はちょっとこじつけっぽかったかなと。 前半はまさに"雪の山荘もの…

サム・ホーソーンの事件簿1(エドワード・D・ホック)

サム・ホーソーンの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)作者: エドワード・D.ホック,Edward D. Hoch,木村二郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2000/05/25メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 6回この商品を含むブログ (50件) を見るD・ホックって、たくさんの種…

わらの女(カトリーヌ・アルレー)

わらの女 (創元推理文庫 M ア 5-1)作者: カトリーヌ・アルレー,安堂信也出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1964/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 44回この商品を含むブログ (9件) を見るうわ、こんな大どんでん返しは久しぶりでしたよ。途中の展開も…

ターン(北村薫)

ターン (新潮文庫)作者: 北村薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/06/28メディア: 文庫購入: 20人 クリック: 636回この商品を含むブログ (179件) を見る事故をきっかけにして、同じ日をたった一人で、動かない世界の中くりかえす女の人の物語。ジャンルを…

喪われた故郷

ISBN:4488279031 彼女はわたしをしげしげと見た。 「目だけは変わってないわね。あいかわらず秘密でいっぱいだわ」 ――「失われた故郷」P50 相変わらず、なんて微妙な話を書くんだ、マイケル・ナーヴァ。私のツボをいつもかわすことで有名な彼(自分の中で)…

未完成

未完成 (講談社ノベルス)作者: 古処誠二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/04メディア: 新書 クリック: 44回この商品を含むブログ (18件) を見る孤島の射撃場で自衛隊の小銃が盗まれ、その謎をとくために派遣された朝香と野上。だがその島の自衛隊は、そ…

死の蔵書(ジョン・ダニング)

ISBN:4151704019 古本掘り出し屋が殺された。古本に造詣が深い刑事クリフは、その知識をいかして捜査にあたるが、やがて暴走し始め―― 古本マニア、古本業界が舞台のミステリ。 予想以上に面白かった。紀田順一郎さんの「古本屋探偵の事件簿」みたいなのかな…

真説ルパン対ホームズ(芦辺拓)

真説ルパン対ホームズ―名探偵博覧会〈1〉 (創元推理文庫)作者: 芦辺拓出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2005/09メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (15件) を見る今古東西の名探偵が登場する、パスティーシュ集。玄人好みな作品集の印象を…

海神(ネプチューン)の晩餐(若竹七海)

海神(ネプチューン)の晩餐作者: 若竹七海出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 1932年、資産家の家に生まれた本山高一郎は、アメリカへ修業の旅にでることになった。その前日、横浜で久しぶりに会っ…

使用中

スタンリイ・エリンのパロデイについて話をしていた作家が、トイレの中で殺された。偶然犯人の隣のトイレに隠れることになった編集者は、逃げるが留まるかどうする?―― 「女か虎か」のオマージュです。リドルストーリーもの。構成が上手くて、ううんと思わず…

猫丸先輩の空論

猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)作者: 倉知淳出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/09/06メディア: 新書 クリック: 13回この商品を含むブログ (95件) を見る※ネタバレありで書きます。 ふんわりと口当たりならぬ目当たり(?)が良いので、小説が読みにくい…

まほろ市の殺人 冬 蜃気楼に手を振る

ISBN:4396330499 蜃気楼に手を振ると、幻の街に連れていかれる。こっそりと手をふった長兄が事故死し、二十五年後、三千万円の金をはさんだ兄弟の運命が翻弄される――。 ざっとだけど計算してみた。そうしたら本書はおよそ原稿用紙205枚分の量との計算結果が…

殺しの双曲線

殺しの双曲線 (ジョイ・ノベルス)作者: 西村京太郎出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2004/05メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (8件) を見る 都内で起こる双子が犯す連続強盗事件。東北の雪深いホテルに招待された6人の男女とその主人…

悪党どものお楽しみ

悪党どものお楽しみ (ミステリーの本棚)作者: パーシヴァルワイルド,Percival Wilde,巴妙子出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2000/11/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (25件) を見る前からの続き。 無邪気さと皮肉さが、いい具合でミックスされ…

春期限定いちごタルト事件(米澤穂信)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2004/12/18メディア: 文庫購入: 16人 クリック: 414回この商品を含むブログ (658件) を見るなんとも魅力的な表紙。どうやって色を出しているんだろう……。 おそら…

眠れぬ夜の報復

眠れぬ夜の報復 (講談社文庫)作者: 岡嶋二人出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/07メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る実質上岡嶋さんの最後の作品だけど、そうは思えないほど安定している。内容は少し大技気味で、現実的では…