海神(ネプチューン)の晩餐(若竹七海)

海神(ネプチューン)の晩餐

海神(ネプチューン)の晩餐

1932年、資産家の家に生まれた本山高一郎は、アメリカへ修業の旅にでることになった。その前日、横浜で久しぶりに会った旧友の河坂から、一編の謎の探偵小説の原稿を譲り受ける。高一郎は大型客船・氷川丸の船上の人となるが、この原稿の謎にせまるうちに数々の不可解な出来事に遭う…。

史実と物語との融合が上手かった。さすがプロだなあ。設定は私の好きな「船が舞台」のミステリ(しかも豪華客船)で、読み終わってからもしばらく自分も船に乗っていたような、揺れの感覚が身体に残っていました。
ラスト明かされる動機は、お金持ちで坊ちゃん設定の主人公と密接に関係していたので、だからこういう人物を主人公に添えたのかと納得。途中、読んでいてやや中だるみしてしまった。
トリックといい堅実な作品です。