死のドライブ(ピーター・へイニング編)

死のドライブ (文春文庫)

死のドライブ (文春文庫)

名作とは言わないまでも佳作が揃っている作品集。
ただね、訳者の野村芳夫さんの文章が全く合わない……。本当に駄目。読みにくい。たとえば本書には私の好きなハーラン・エリスンの「景色のよいルートで」が収録されているけど、野村さん訳だとスピード感が全く無く、少しも面白い作品に感じられない。まあこういうのは相性もあるのでしょうが……。ふう。
さて本書は「車」を題材にしたアンソロジーで、ホラーからSFまで幅広いジャンルの作品が集められている。外国のアンソロジーは、たいてい日本には慣染みのない作家も多く入ってるけど、本書は日本でも人気がある作家ばかり。

スティーブン・キング」、「E・F・ベンスン」、「ジャック・フィニイ」、
「H・ラッセル・ウエイクフィールド」、「リチャード・マシスン」、
「アントニア・フレイザー」、「ジョー・R・ランズデール」、「ジェフリー・アーチャー」、
「ピーター・へイニング」、「メアリー・エリザベス・カウンセルマン」
「ラムジー・キャンベル」、「アラン・ディーン・フォスター」、「ロアルド・ダール」、
「J.G・バラード」、「イブ・メルキオー」、「ハーラン・エリスン」、
「ロジャー・ゼラズニイ」、「ウィリアム・F・ノーラン」、「イアン・ワトスン

――そうそうたるメンパーが揃ってます。
私が好きなのは、「高速道路で絶対に停車するな」(ジェフリー・アーチャー)……ラストのどんでん返しがとても決まってる。途中の得体の知れない車に追いかけられている恐怖の場面も、こわくて盛り上がった。