中継ステーション

中継ステーション (ハヤカワ文庫 SF 265)

中継ステーション (ハヤカワ文庫 SF 265)

半永遠の命をあっさり受け入れ、人とほとんど隔絶して暮らしながらも、地球への愛着は持ち続けている。
いったい、どんな人間なんだ? と不思議な感覚を主人公に受けた。片方の手は拒絶しながら、もう片方の手で包み込んでる感じ。こんな孤独な生活をしているのに、まるで平気な所も不思議だし、主人公の淡々とした生活が、まるで無人島に一人暮らしている者の生活みたいで、変に魅かれます。
このような隔絶した生活も、そう悪くないようにも思えた。


シマックは「孤独な死」で好きになったんだけど、この話もお互いに思い合ってるのに、分かり合えないですれ違う。それでも不思議な満足感はある。とても変わっている孤立の仕方だ。人がたくさんいる、当たりまえの普通の場所での孤立。分かり合えないのに分かり合っている不思議さ。拒絶と許容。厳しさと暖かさ。二つが何とも言えないバランスで同居している。
思わずシマックを検索していたら、フランス語のページがよくヒットする。フランス人に人気があるのかな? ああ、確かに受けそうだ(ポン!)