ミステリーズ

手元に本があったのでまた読み返しました。三回目? かな。一部二回目。
本当に文体に特徴があるなあと読むたびに思う。品が良くてアイロニーに満ちた文体。

「解決ドミノ倒し」
"名探偵、みんなを集めてさてと言い"、をやろうとしたら単純に見えた容疑者達には別の正体が……? という話。
この手の作品は、作者の想像力が読者の上を行かなきゃ面白くないのだけど、ちゃんと次々に想像の上を行ってくれました。それでいてミステリの様式を外していない所がGood。途中で入る心像風景が良いね。正体が分かった時に、ああ、心像風景はこういう意味だったのかと一つ一つパズルのピースが合ったようにすっと小謎がとけるのが良い。好きな作品です。
あとヒッチコックの「マクガフィン」の説明も出てきて、マクガフィン好きの私はにんまりです。