ミザリー

ミザリー (文春文庫)

ミザリー (文春文庫)

ああ成程ねえ、キングは長編型の作家なんだなと。
面白かったです。エンターテイナーだなあと思う。
主人公のポールが、頭の中で色々と実況中継をするあたり、殊能さんのハサミ男などを思い出しました。
キングの方が先に書かれているわけだけど。エンターテイナー系譜ですね、こういうの大好きです。

ただ面白いは面白いんだけど、やっぱり私はキングは好きににゃれにゃい……。
こう人間のどろどろした描写が駄目です。人間のどろどろした部分の描写がいいと思う作家さんもいるので、生理的な問題なのでしょう。読んでいて落ち込むというか、拒否反応が出てきます。
それでも最後まで読んでしまったわけだけど。


「笑いの家」がめっちゃ不気味。こういうエピソードがキングは上手いよね。
訳者の矢野浩三郎さんの訳が、とても上手で読みやすかった。良い仕事です。