ワイングラスは殺意に満ちて

黒崎さんのデビュー作です。
軽快な文体。ユーモアと美味しそうなワインと。しかしクールな雰囲気も漂ってる小説です。

ミステリとしてはトリックよりも、自白した犯人がトリックのために高価なワイン(シャトー・ムートン・ロートシルト)を無駄にしたのが惜しかった、残念だと何度も繰り返しているのが印象に残りました。
どうせならそのように「ワイン好きなために犯罪がバレた」もしくは「ワイン狂な為に特殊な犯罪になった」的な、固有の特殊性がトリックにあれば良かったです。
会話がこの頃から上手い。
人物がいくらか戯画されてますが、それがひっかけの役割も果たしてます。