罵詈雑言辞典(奥山益朗)
- 作者: 奥山益朗
- 出版社/メーカー: 東京堂出版
- 発売日: 1996/07
- メディア: 単行本
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日本語は罵倒語が少ないという研究結果を聞いた事があります。
やはり「和」の国だから個々の対立(議論)が起きにくかったせいだろうか?
この本の著者も、罵語を調べていくうちに、日本、特に東京を中心とした共通語にはロクな罵語がなかったと書いてます。
その点、大阪地方は罵語の先進国だそうです。(気を悪くしたらすみません^^;>大阪の方。でも著者も褒め言葉として使ってる感じ)
この辞典にのっている罵倒語も量はそれ程多くありません。聞いた事がある言葉も多く、確かに日本語は罵倒語が少ないのだなあと思います。
でも知らないものもあり、ペラペラめくっていると好奇心が刺激されます。
■どことなくユーモアがあるもの
「あんぽんたん」「野暮天」「すこたん」「いかれぽんち」「阿呆助」「ちゃんちゃらおかしい」「とっちり頓馬」「唐変木」「へっぽこ」
――これなら、言われた方も怒らないかな。言った方がちょっとアホに見えるというか(笑) ユーモアがあって 状況が深刻にならなそうだね。
■どことなく個性的なもの
「剣突」「阿漕」「子供の使い」「煮ても焼いても食えない」「飲む打つ買う」「風来坊」「摩訶不思議」「唯我独尊」――これらは使いようによっては、褒め言葉にもなるかも。
■謎語
「どろんけん」……へべれれに酔っ払うこと。オランダ語のdronkenからきている。幕末から明治初年に使われた言葉だろうとある。「うわばみ」に同じ。
「とんぼにサの字」……「キザ」の意味の謎言葉。トンボは「キ」の形のようで、それに「ザ」で「キザ」になる。江戸時代にはこのような謎言葉で遊ぶ人が多かった。「お前は極楽トンボに「ザ」の字で、結構なご見分だなあ」などと使う。
……わはは。これおもろいね。
「七里結界」……絶対に嫌う場合の強めの言葉。または罵りの言葉。七里四方に結界(境界)を作って、中に嫌う人を入れないことをいう。
読んでいて眉を顰めてしまうのは、やはり差別用語関係だね…。
同じ悪口でも、使ってもいい(許される)ような言葉と、使う側が問答無用で嫌な奴にしか見えない言葉があるのが分かります。
やっぱ「お前の母ちゃん出ベソ」とか愛嬌のある文字を眺めてる方が良い。