伯爵夫人の宝石(ヘンリイ・スレッサー)

伯爵夫人の宝石―英米短編ミステリー名人選集〈3〉 (光文社文庫)

伯爵夫人の宝石―英米短編ミステリー名人選集〈3〉 (光文社文庫)

ヘンリー・スレッサーは、どことなくロアルド・ダールと作風が似ているけれど、ダールよりは「悪意」の存在、もしくは皮肉少々が作品に出ているように感じます。
なので、いわゆる「悪党」が主人公の方が、持ち味が出ている作品が多いような気がする(快盗ルビイ・マーチンスンとかね)
まだ全部は読んでないけど、軽く感想を……。


世界一親切な男」……話の進め方が抜群に上手い。妻を殺された男が、優雅で残酷な復讐をする。相手の弱みにつけこんで、親切めかして贈り物をするんだもの本当にタチが悪くて、そういうのを書くのが上手いよなあスレッサーは。
ところで最後のオチ、「短気だった」というのは、ちょっと納得出来ないです。一方的な復習譚を最後まで聞いてたのだから、むしろ気が長い方なのでは?


」……あはは、このオチは気がつかなかったです。くやし〜、でもおもしろいっ。実は犬の方がああだったなんて。やられたって感じです。