「玩具修理者」とキャラの名前のつけ方

玩具修理者

玩具修理者

小林泰三さんの「玩具修理者」をさらっと読み返す。
およよよ。懐かしい。面白い。気持ち悪い(褒め言葉)。
筆力がある方だなという印象を相変わらず受けます。
最初の頃、ずっと「たいぞう」とペンネームを読むのだと思ってました。「やすみ」なんだよね。


この頃ちょっと興味があるのは、作家さんのキャラクターの名前のつけ方です。
てこな」とか、やっぱり色々こだわりがあるんだろうなあ。
私がミステリ系で特徴がある名前をつけるなあと思ったのは、まあ、麻耶雄嵩さんや森博嗣さんや清涼院流水さんなどは多くの人が認めるだろうから、おいといて。


有栖川有栖さんなんかは、微妙にこうキャラ立ちする名前のつけ方するんだよね。微妙っていうか、直球かもしれないけれども。
いつも感心しています。そのくせ、ものすごく変わってる名前は、「有栖川有栖」ぐらいだし。
こういうのってわざとやってるのではなく、体質なんだろうな、きっと。


何故かというと、その傾向がシリーズ物だけではなく、ノンシリーズの短編にでさえ顕著にあらわれているからです。
これも才能だと思います。短編のキャラでさえ、名前からして立ってるといのはすごい。有栖川さんはサービス精神がある人だなあ。サービス精神って言うか、なんだろう、こういうのって。  
 

他には逆の意味で、殊能将之さん。
有栖川さんの名前のつけ方が、とにかく覚えやすいのにたいして、殊能さんのキャラの名前は、覚えにくい。
わざとやってるのでは? と思えるぐらいに。生理を無視している感じ(勿論これは私だけが感じるのかもしれないけど)
そういえば、これらの特徴は作家のペンネームにもあらわれている。
殊能将之」って、最初は覚えにくかったよ。それに比べて他の作家さんの名前の覚えやすい事……(森さんは本名だけど)
やっぱり関係ある気がします。