「前世の記憶」

前世の記憶 (文春文庫)

前世の記憶 (文春文庫)

こういう話を書かせたら、高橋さんの独壇場ですね。
「父」がポイントになる話が多かったように思います。
「知らない記憶」のラストが好き。やはり暗いラストばかりじゃね。こういう話には弱いです。
「昨日の記憶」も印象深い。こういう話は意外と現実によくありそうな気がします。
最後がまた……こういう「どこかに放り出される」ラストも嫌いじゃないです。
書き方によってキマるかどうかが左右されるけど、そこは高橋さんなので上手にキメてくれます。


解説で知ったけど、高橋さんは小説に似た実体験を幼い頃からしていたそうな。
成程。 夢幻ながらもどこかリアリティを感じる話作りはそういう事だったのか。一体どういう環境で育ったのだろう……。