諜報員マリータ(マリータ・ローレンツ)
- 作者: マリータローレンツ,テッドシュワルツ,Marita Lorenz,Ted Schwarz,北沢和彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 単行本
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本書を読んだ限りだと、CIAって本当にロクでもないことやってたんだな……と。昔のCIAは、なんでもありだったんだなあ。ここで行われているCIAの洗脳の姑息なこと、それでいて抜群の効果があるだろうことは、素人でも想像できる。本当に恐ろしい。
フィデル・カストロって、そういう人だったのかーと。しょっちゅう名前がニュースに出ていた人、ってぐらいにしか興味がなかった私も、興味をもちました。ほかにも、マルコス・ペレスとか、有名な人がじゃんじゃか出てきてすごいね、こりゃ
で主人公のマリータはどうも無意識のうちに、派手なほう派手なほう、ドラマがあるほう、盛り上がるほうへとつき進んでいくタイプみたい。たとえ結果がどうなろうとも退屈な人生に我慢できないらしく、自分本位のパワーがすごい。巻き込まれる側にとったら、たまったもんじゃないだろうなあと思った。
自分の主観、自分の主張だけで突っ走ってるところが、はた迷惑でしょうがないなあというのが、卒直な感想でした。それでも、彼女のこの「世界は私の舞台よ」、ってな雰囲気はひかれる人はひかれただろうなあと感じました。
訳者の北澤和彦は、ミステリ作品の翻訳でもお世話になっているけど、さすが読みやすかったです。