諜報員マリータ(マリータ・ローレンツ)

諜報員マリータ

諜報員マリータ

どこまで本当かは分からないものの、すごい人生だ。
本書を読んだ限りだと、CIAって本当にロクでもないことやってたんだな……と。昔のCIAは、なんでもありだったんだなあ。ここで行われているCIAの洗脳の姑息なこと、それでいて抜群の効果があるだろうことは、素人でも想像できる。本当に恐ろしい。


フィデル・カストロって、そういう人だったのかーと。しょっちゅう名前がニュースに出ていた人、ってぐらいにしか興味がなかった私も、興味をもちました。ほかにも、マルコス・ペレスとか、有名な人がじゃんじゃか出てきてすごいね、こりゃ
で主人公のマリータはどうも無意識のうちに、派手なほう派手なほう、ドラマがあるほう、盛り上がるほうへとつき進んでいくタイプみたい。たとえ結果がどうなろうとも退屈な人生に我慢できないらしく、自分本位のパワーがすごい。巻き込まれる側にとったら、たまったもんじゃないだろうなあと思った。


自分の主観、自分の主張だけで突っ走ってるところが、はた迷惑でしょうがないなあというのが、卒直な感想でした。それでも、彼女のこの「世界は私の舞台よ」、ってな雰囲気はひかれる人はひかれただろうなあと感じました。
訳者の北澤和彦は、ミステリ作品の翻訳でもお世話になっているけど、さすが読みやすかったです。