中世のアウトサイダーたち(F・イルジーグラー A・ラゾッタ)

ISBN リンク ISBN:4560028656
乞食、ならずもの、娼婦、狂人、ハンセン病患者、大道芸人、楽士、熊使い、魔法使い、ジプシー、娼婦、拷問、見せ物、医者といかさま医者、狼男、
など、題名どおり、アウトサイダーについて詳しく考察がされています。14世紀から17世紀にかけての、ドイツのケルンという都市が主に観察・考察の元になってます。
もう少しユーモアがある本なのかな? と思ったらそんな事もなく、中世の光と陰の「陰」の部分のみに焦点を当てた本で、なかなか陰惨であった。好んでアウトサイダーになった人々というよりは、偏見や差別でそういう立場におかれた人の話が多かったです。中世のアウトサイダー達は、厳しい環境に置かれていたことがよく分かった。中容は専門的ながら読みやすく、細かいエピソードなど充実してました。
ジプシーについても、かなり詳しくのっていて驚いた。単純に読みものとしてはちょっと暗すぎて好みには合わなかったけど、学術的な資料としては名書だと思う。