巫女の民俗学(川村邦光)

ISBN:4787230484
病気などで盲目になってしまった人が、カミツケ儀礼などの儀式などをへて、巫女としての職能を身につけていくさまを、東北弁の語り口を交え詳しく書いてあります。
目が見えなくなった人にとって、巫女は一番いい生きるすべだったらしい。按摩とか三味線語りよりも巫女の方が位が高かったそう。なんとなく分かるね。
しかし今は口おろしをする巫女も少なくなってるし、どうなっていくのだろう。もしも私が盲目になってしまったら、一体どうすればいいんだろう……と、本の内容よりもそういったことばかり考えてしまった。


カミツケ儀式で巫女に「つく」神様は、基本的には師匠についていた神様と同じ神を頂くことが多いけど、巫女になる人の信仰によって、八幡様が憑くときもあれば、湯殿山が憑く時もあるというように、それぞれ皆神様が違うそう。この辺りは、さすが八百万の神々を持つ日本独特の宗教感だなあと感じた。