オヨヨ城の秘密

ISBN:4041382033
パパと一緒にパリへ行ったあたし。ところが妹のリサがカバンにもぐりこんでついてくるし、パパが取り違えたスーツケースからは白い粉が。


今回もルミちゃんの冷静なつっ込みが冴えわたっています。

 青い眼であたしを見つめて、
「五年たったら、私はあなたに愛をささやくでしょう」
「あなたは警官ですか、犯罪者ですか」

――クールな小学生だ。小学生にこんな事を言う警官も警官だけど、パリだからしょうがない。本作品もハチャメチャなノリが面白かった。
ところで新井素子さんは、このオヨヨ大統領シリーズに文体の影響を受けているのだそう。そういえばかなり似ている。WikiPediaから引用すると、

新井素子当人は、影響を受けた文体の一つとして小林信彦の小説『オヨヨ島の冒険』を挙げている。自分の文体を作ろうと思い立った中学一年生の時、「オヨヨシリーズ」を読んで感じた「会話の妙」と「間」をお手本とした、と『オヨヨ島の冒険』(ちくま文庫/角川文庫)の作品解説に記述がある。

――驚いたのは「中学一年生の時に自分の文体を作ろうと思った」点。普通中学一年といったら、小説を書くとしても「文体」まで頭が回る人は少ないのではと。しかも自分の文体を作ろうと考えたというのがすごい。早くデビュー出来たはずだよ、と思った。