交易のヨーロッパ史(アランプレシ, オリヴィエ・フェールターク)

図説 交易のヨーロッパ史―物・人・市場・ルート

図説 交易のヨーロッパ史―物・人・市場・ルート

古代から現代にいたるまで、人間の基本的な営みとしての商業の、時代ごとのありようを、それぞれの時代をリードした物、それをになった人、交換がおこなわれた市場、そしてそれらを結んだルート、にスポットをあてて解明する。

羅針盤、航海地図、磁針偏差、六分儀――。このような単語に妙に引かれる……。
本書はなかなか面白い。細かい事を知りたい人向けというよりは、概略を全体の流れの中で知りたい人向きかな。


・コレギウム……これらの同業組合は、重い金銭負担と引き換えに、国家の保護を与えられていた。それらはコレギウムを形成し、自分たちの保護者(ローマの貴族、皇帝自身など)を選ぶことができた。かれらは宴会の席上、あるいは宗教的儀式において、この保護者に名誉を供するのだが、それらの引き換えに、かれらコレギウムのメンバーはときとして困難に出会ったときなど、保護者の気前のよい施しや、国家の最上級の者へのとりなしをきめた。
――「交易のヨーロッパ史」P158