聖なる大地(ブライアン・リー・モリノー)

聖なる大地 (『人類の知恵』双書)

聖なる大地 (『人類の知恵』双書)

古代ケルトの秘儀から中国の風水思想、ガイア伝説、ピラミッドやストーンヘンジなどの巨石建造物まで。また、普通に起こる自然現象についても詳しく書かれている。
この本は好きで今までも何回も読んでいます。名書ですねえ。翻訳は荒俣宏さん監修です。
今回は竜巻に注目して読んでみました。まとめてみます。

■竜巻の発生経緯

竜巻は雷雲の下、温かい空気と冷たい空気に高い湿度が組み合わさった場所に生まれる。暖かな地表の上昇気流が幅の狭い帯となり、気温摂氏0度の雷雲のなかへ急上昇してゆく。「コリオリの力(ちから)」がその上昇気流を回転させ、ついには独特のじょうご型の「ねじれ」にする。
螺旋状に動き出してから、特に障害物のまわりを流れて行かねばならない時の動きが空気を円錐形にねじれさせ、その中心で下降気流が生まれる。その渦は移動しながら土やごみを拾い上げ、高さ1Mから数百メートルの塵埃の雲として目に見えるものになる。

この種の渦は、「塵旋風(ダストデビル)」などの比較的穏やかなものから、恐ろしい破壊力を持つ見上げるばかりの大竜巻までさまざまである。
ダストデビルは小さな渦で、熱帯地方のように地表温度が高い所で生ずる。

■竜巻いろいろ雑学

・とくに乾いた季節、熱帯地方の昼の暑いさかりによく起こる。
・塵旋風が真上で発達中の積雲に接触したときに発生する。
・発生しやすい時と場所は、一般に春の北半球。
・竜巻の多くは成長しないうちにじょじょに衰えて消える。約3分の2はせいぜい3分間しかもたない。
・竜巻のじょうごが地面に触れると、その進路にあるほとんどの物を空へ吸い上げ、その基部から残骸をばらまく。
・じょうご全体は、平均で時速50〜70Km程度で移動するが、渦のなかの風速は最低でも500kmになり、ひどいときは音速(最大風速1200km)に達することさえある。
・しかし、竜巻内部で旋回する風の正確なスピードは推測するしかない。ねじれの猛烈さに耐えられる気象測定器はまずないからだ。
・竜巻を目撃した人びとは、その音をミツバチの大群の羽音かジェットエンジンの轟音にたとえる。
・たえず稲妻をひらめかせながら回転する空気のかたまり。
・渦の中心気圧は極端に低い。
・建物は竜巻に襲われると、突然の圧力降下で爆発することもある。
・ある目撃者はそれを「沸き立つような雲塊の下で奇妙な霧がこちらに向かってころがってきた」と評した。
・山岳地方の竜巻(マウンテンネード)は、小さな渦が山を流れる冷たい空気と接触してゆくうちに大きくなる。


――ふんふん。映画「ツイスター」を思い出したり。
ちなみに、海でおこる渦は大渦潮=メイルストラムと言って、船を吸い込んでしまうほどです。