ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)

ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)

ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ)

物語の初めから中盤は「エンパス」と「多重人格」を上手く絡めて現象の不思議さで話を進めているのに、最後は生身の人間に追いかけられる系の怖さになっている。「クリムゾンの迷宮」や「黒い家」は人間に追いかけられる物理的な恐怖ががぴたりとはまってたけど、本書ではそういう方向性で盛り上げて欲しくなかった……。なんか冷めてしまった。
あと多重人格の子が、突然やってきた身も知らぬ女性にあんなに簡単に心を開くかな? とも。
物語の進め方はいつものように上手く、すらすらと読めます。導入部分が上手い作者です。


ところで本書では「エンパス」の女性と「多重人格」の少女が出てきますが、私は常々、多重人格の方はエンパス予備軍なのではないかなあ?と考えてます。