神の手(望月諒子)

神の手 (集英社文庫)

神の手 (集英社文庫)

文芸誌編集長・三村は、高岡真紀と名乗る女性から投稿原稿を受け取る。その原稿は、突然姿を消したある作家志望の女性が、かつて彼に見せた作品と全く同じであった。「盗作か?」謎を探るため、高岡真紀に面会した三村の前に、驚くべき事実が…。

作家という職業への思い入れと情熱と凄まじさがたっぷりと書かれてあって、それだけで迫力があり、引きつけられた。さらに盗作騒動が話の中心ときたら、先をめくらずにはいられない。謎の女高岡真紀をめぐる、二人の身勝手な男達の描写もうまいです。一見いい人そうに見えるのに、かなりの勝手さに最後の方はややうんざりしてしまった(それだけ描写が上手いということでもあるのですが)
謎がどういう風に結着がつくのかは途中でだいたい分かったけれど、こみ入った人間関係がどう結着がつくのか知りたくて最後まで読みました。