脳を究める―脳研究最前線(立花隆)

脳を究める―脳研究最前線 (朝日文庫)

脳を究める―脳研究最前線 (朝日文庫)

脳の研究は大まかに三つの流れがあると言われています。
1. 脳を細胞レベル・分子レベルと見た場合――ニューロンや、化学伝達物質の働きなど。
2. 機能論――知覚・運動・認知・情動・学習などは、脳のどこをどういうメカニズムで行われているのか。
3. 精神活動―――人間特有の高次の精神活動について。自意識、真善美、抽像化、意志決定など。


多くの脳関連の本は、この三つの流れの一つに特化して語られるのですが、本著は三つ全ての脳研究について情報がのっています。
その為少ないページで、一つ一つの研究のアウトラインが語られているので、少し分かり辛いです。もっと踏み込んだ情報が欲しいと思う場面もあり、帯に短し、たすきに長しな気分になりました。とは言えそれは贅沢な話でしょう。
この本を読んで、興味を持った脳分野の専門書を読むと丁度いいのではと思います。
今でも充分に良い入門書となります。