無芸大食大睡眠(阿佐田哲也)

無芸大食大睡眠 (集英社文庫)

無芸大食大睡眠 (集英社文庫)

阿佐田さんの文章は好きです。端整でいてリズム感があります。
この本はエッセイで、阿佐田さんがわりと有名になってからの頃です。なので、無茶具合もややおさまっている現在の日常と、過去の出来事とが代わるがわるに書かれています。
これから自殺をするという男の言う事を、誰も本気でとらないでシャレだと取って、男の送別会を皆でやったら、翌日から男が本当に消えてしまったという話が印象に残りました。
阿佐田さんのような人は、無頼派になるのでしょうか。でも不思議と知的な雰囲気がいつも漂っていますね(実際頭が切れるわけだけど)。そういう人が無茶やったら、一番恐い気もします。人情もあって良かった。