ラミア虐殺(飛鳥部勝則)

ラミア虐殺 (カッパ・ノベルス)

ラミア虐殺 (カッパ・ノベルス)

いやあ、読み終わってびっくり。色んな意味でびっくり。他の人はどういう風にこの本を受け止めているのか知りたくなりました。
初飛鳥部さんだったのだけど、他の本でもこういうトンデモ(失礼)系、なのかな??


読んでいる最中、ずっと思っていたのは「この主人公の過去がエリート傭兵だなんてありえない」という事でした。探偵としてもやばい。
スキがありすぎ、周囲に注意を払わなすぎ。観察力がなさすぎ……。後半の方で「猟銃」の存在を思い出さずにぼさっとしていて、執事に先に銃を取られてしまうあたりが、特に感じました。元傭兵なのに武器の存在を意識してないのは、さすがに変でしょい。


米軍グリーンベレーから訓練を受けてるのに、このありさまでは、柘植久慶さんもびっくりだ。
ところでなんで沢口は傭兵なんてしてたんだろう?


ま、それはおいといて。
美夜の微妙な外れ具合の会話は、珍しく感じました。特徴が出ていて良かったです。どのキャラクタもかなり幼い主張をしてるのだけど、それもなんとなくこの本の中だとしっくりくるというか。
読んでいる最中は、結構面白かったんだよね。作り物らしい面白さだからかもしれない。
化け物で無い方が化け物だったというのは、基本だけど逆説的でよい。
しかしもうちょっと、説得力が欲しかった気はします。まあ、これはこういうジャンルなのでしょう。