あらしのよるに(きむらゆういち, あべ弘士)

大型版 あらしのよるにシリーズ(1) あらしのよるに

大型版 あらしのよるにシリーズ(1) あらしのよるに

ともだちなのに、――おいしそう
なんて食指を伸ばしたくなる帯なのだろう。


本当だったら、食う物、食われる物な関係のオオカミとヤギが、同じ小屋であらしを避けるために出会う。
真っ暗なのと鼻がきかないのとで、相手の正体は分からない。お互いに、自分と同じ種族だと思い込む。読者だけは知っている。
うーん、ミステリな設定です。読んでると、ああ、正体がバレるんじゃないか、バレたらどうなんだろ? とハラハラ。
結局、正体はバレないまま別れる事になったのですが……このあと、どうなったんだろうねえ。と思ったら続編があるんだよね。


人間だって、他人に近づく時は、「食べられる」(傷つけられる)んじゃないかという不安や、「食べてしまいたい(自分の言う通りにさせたい)という欲求など、常にジレンマが存在する。
それでもやっぱり人に近づきたいわけで、その切なさがまた人間関係の味でもあるんだけど、そういう気持ちをちょっと思い浮かべたりした。


で、他の感想を求めて検索したら、シリーズ最後のオチまで同時に知ってしまいましたorz まあ、映画化もしている有名な作品だしね……。絵本とアニメで全然絵が違うのが、びっくりしました。