「海のある奈良に死す」

海のある奈良に死す (角川文庫)

海のある奈良に死す (角川文庫)

これも何回も読んでいる。小説の中で火曜日と水曜日を間違えているという、致命的ではないにせよそれなりに大きな間違いを、放置できるアリスは凄いよ。すぐに電話をいれなよー! 本当に豪胆だよな、アリスは。
そして、サブリミナルが出てきましたが、これを規知の現象として扱っていいのかなと少し心配になったりします。
サブリミナルが起こるのは、デマという説も多かったりするので(私はある気がしますが)。
参考文献を見ると「メディア・セックス」を読んだんだね。あー、あれは私も読んだ事あるけど、確かにあの本を読むと、サブリミナルを信じたくなるんだよね、気持ちは分かります。


あと火村は思い立ったらすぐ行動しないと駄目なんだね。ビデオのレンタル屋の場面とか。蟹食べにいった「蝶々ははばたく」でも、普通そんなことですぐに確認の電話しないだろうと。
風のようなやつだ。。。


そして特筆すべきはアリスの人懐こさでしょう。冒頭の部分で赤星とあれだけの軽口の叩き合いを見せておきながら、実際は、友人とはいえ、それほど親しいとまでいえないくらいだってんだもの。おそれいりました。


――これだけ何回も(5回目くらいだ)読むと、感想も細部をつついたようなものになってくる。