「短い夜の出来事」


常に枕元にある本。こういうショート・ショート集は何冊か持っていると、必ず役に立ちます。
役に立つというのも変な表現だけど、「本が読みたい。でも長いのや難しいのは読みたくない」という時にうってつけ。
ああそうだ、江坂さんの本があった! とほっとします。
そして、何話か読んで眠りにつく……と。
小説として見た場合、どちらかというと、もう一冊の方の「あやしい遊園地」の方が好きです。


でも凄く面白という訳ではない(なんか失礼な言い方ですね、すみませんです)と、感情が甚だしく上下されないので、かえって重宝する面もあります。あまりのめり込む読書は、日常生活に害を及ぼす時があるからね。特に眠る前は。
こういう淡々としたショート・ショートも、また別の味があります。


少しずつめくっているので、まだ全部は読んでないけど、その中で好きだったのは、「バード2」
え、連作!? という驚きと、一話目が無かった事にされている……というか、一話目の世界と微妙にズレている所が、不条理していて良いなと。
話自体も、抜け抜けとした所が楽しくて好きです。
「二十三時四十四分」の、つむじ風の話も好き。
全体的に難しい漢字をほとんど使わない、平易で読みやすい文体です。
あと会話の書き方が上手い。