しあわせの書
- 作者: 泡坂妻夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/07/31
- メディア: 文庫
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そしてこの仕掛けが無くても、この本は普通に小説として好きなんです。
ひょうひょうと軽妙洒脱な会話に人の注意をそらさせておきながら、その裏にしっかりと伏線がある。
元々私は、あやしげな宗教が関係してるミステリが好きで。変に生々しく暗いと困るけど、そうではない本を読むのは楽しい。
もしかして本当に不思議な力があるの? いやいや推理小説なんだからネタがある筈。でもこんな現象が起こってしまって説明つくのだろうか。 やっぱり本当に力があるとか……と読みながら色々考えるので、2倍楽しめる。
この本はミステリ作家・泡坂さんが書いたのだから、当然全ての現象に説明がついて、すうっとした気持ちで大団円を向かえます。
推理小説としても、犯人や犯行動機、トリックとちゃんと揃っていて充分以上に楽しめました。
あと小説としてのこの「本」の仕掛けは一つではなく、途中で食べるシーンがあるじゃないですか。全くの予想外でびっくりしました。
えええー と、まじまじと手の中にある本を見つめる。勿論私は食べなかったよ、ウン(笑)
最初は紙に仕掛けがあるのかなと思ってました。特殊な紙で、指で触ると分かるなど、トランプでよくあるタイプの仕掛けかと推測しました。
読めば読書好きの人の間では、話のタネになる本。多くの人に読んで貰いたいです。
その時は、背表紙のあらすじは読まないように注意して下さい(人に勧める時も)