ホームズ、最後の事件ふたたび(ロバート・J・ソウヤー)

ロバート・J・ソウヤーは、ほんと面白いなあ。とにかくインパクトがあるんだよね。一回読むとなかなか忘れないんだ。
題材の選び方にくわえて、語り口だけでも面白いので記憶に残りやすいという面があります。


小説として見ると、こういうSFっぽい論理展開は好きです。そんな強引な……と思わなくもないけど、もともとそういうアンソロジーのために書かれたと思えば納得もする。
それにしても「シュレディンガーの猫」って、色々想像をかきたてられる命題だね。最初にこの「シュレディンガーの猫」という単語を見た時に、意味は分からないながらもとても魅かれるものを感じた事を思い出しました。


しかし、この小説は確かにかなり面白かったけれど、SFの10年の間に10指あまりにはいる傑作かどうかと聞かれたら、私はうーん、と首をひねるぞ。(「90年代SF傑作選 下」に収録されていました。) SFの面白さというのはこの作品はちょっとズレてない? といった作品がこの「90年代SF傑作選」には多かったんだけど、それは私の好みとたまたまズレていたのか、それとも私がSFというものをまだ理解していないのか何なのか、うーむ。